Breeze

久しぶりに地下鉄に乗りました。風になびく髪型のイメージがなんて多いこと。しかし、日本人の髪が風になびくように変わったのも最近のことです。日本人の黒くて太くて重い髪では、シャギー、レイヤー技術が登場するまでは、風に浮くような毛先の軽さはなかなか実現できませんでした。飛鳥時代の美豆良から江戸の日本髪、明治の洋髪はすべてまとめ髪でしたし、平安期の垂らし髪でさえ段のない重いワンレングスですからたなびきそうにありません。天女の羽衣が風に舞っていても、髪形はしっかりと黒くまとめられているのです。同じ天女でもボッティチェリのビーナスの髪とは大きな違いがあります。