2005-01-01から1ヶ月間の記事一覧

after perspective

へアファッションの世界も平面的にものを考えたり、見たりする習慣から抜け出す戦いの毎日です。あたかも遠近法、カメラオブスキュアによって獲得された世界観、立体情報を平面と知識で整理してしまったことで、失われていく日常の実感をとりかえす作業です…

La pensee sauvage

髪の毛の類型には、直毛、巻毛、縮毛など数種の分類がありますが、実際の髪の性質、状態は千差万別で、百科全書的分類では仕事になりません。触ってみて、濡らしてみて、目で見て経験的に、はねやすいか。パーマがかかりやすいか、カラーが染まりやすいか、…

Inside out

私は裏返すという感覚が大好きです。破れたテニスボールを逆さにしたり、表裏逆の服も好きですし、ヘアカットにさえ内側から切り始めて外側で終わるということがあります。一種の告白でもあるような気がします。先日、好きな現代美術家に女性が多いという話…

a virus of mode

モードのゲームに翻弄される。勿論、最新のヘアモード情報は、一部の特権的な人達のものではなく、すべての人に平等にかつてないスピードで伝播しています。アクセス権の差は、それ程ありませんが、アクセス環境(メディア)や自発的なアクセスへの指向性に…

mind the gap

昔の写真や切り抜きをばらばらに並べて、とりあえず10年単位で抽出してみよう。果たして、10年という単位もあやしいものですがこれが結構面白い。60年代、70年代はよく語られるが、最近では、80年代と90年以降の境がすごい。髪型でいうと、ワン…

progressive haircut

ヘアカットは完成するのでしょうか?髪は常にのびているけれども毎回、完成が要求されます。移り変わるものに究極の完成はありませんが、そこが髪づくりのおもしろい部分でもあります。5カ年計画の大プロジェクトや数千万円の大仕事なんてありません。しか…

Anonymously I confess 

インターネットを回遊していると私も含めて、いかにたくさんの人がプライベートな出来事や心情を吐露しているのだなと関心。なあんだ、みんな表現したいんだ。(といっても、ネット上には基本的には表現したい人しかいないかな)時には表現しない人もちょっ…

copy yourself

フォトレタッチ技術が進歩してきている昨今、タレントや芸能人だけでなく、一般人も写真を簡単に加工する時代になってきました。真の体だけでなく、さまざまな社会に頒布される自己イメージにさえも、メイクアップ、ヘアスタイリング、整形ができる時代にな…

Monsieur Marcel

学生時代から難しそうな物事を理解するときに、1週間でマスター〜、猿でもわかる〜みたいなものですませる無精癖があります。実際、大学の法律なんかもマンガ民法入門ですませようとしていた不届きものです。猿でもわかる〜さえ理解できず、猿以下であるこ…

next generation ?

床屋政談という言葉や、美容室をサロンと呼ぶようにもともと髪結い屋さんにはサロン的な役割があったようです。政治のはなしをするお客様は少ないのですが、最近は美に関すること全般をカバーして、メイクアップからネイルやエステまでさまざまなサービスを…

Let’s get back to normal

艶のある髪は美しい。艶にもいろいろあります。水分と油分のバランスで艶の質感が違ってきます。最近はワックスやオイルの使用によりオイル系のグロッシー艶髪が多かったのですが、これは加減が難しくやりすぎると1週間くらい洗っていないホームレスっぽい…

controversial

ポストモダンは私には荷が重い。なんでもありの昨今、もうポストモダンもあったものじゃないでしょうが、自分のスタンスを保つのは非常に難しい。美術なんかは、なんでも好きで伝統も近現代もいけるのですが、音楽は難しい。とくに現代ものは好きなんだけど…

conceptual hair

シュールリアリズム、ポッピズム、デボラハリー(ブロンディー)、オープンプラン、バイオモーフィック、フランクゲーリー、マン・レイ、イザドラダンカン、バウハウス、オスカーシュレンマー、さて何の事でしょう?これらは過去のビダルサスーンのコレクシ…

silver vs gold

金箔もいいが銀箔もいい。金閣寺もいいが銀閣寺もいい。金時計もいいが、銀時計もいい。シルバーアクセもいいがゴールドもいい、いやプラチナもいい。果ては金ラメもいいが、銀ラメもいい。金属の戦いは昔から続く。トムフォードのグッチデビューよりビット…

なくて七草

今日は七草粥を食べていない。とは言っても一度もこの日に食した試しがない。高校生の時分、春と秋の七草を諳んじることができるような女性を伴侶にしたいなどと阿呆なことをのたまっていた私。そういえば七草ではないが、酒井抱一の2曲1双屏風、夏秋草図は…

a sense of touch

前回につづき、視覚以外の感覚の重要性をとても感じる今日このごろですが、特にヘアカットについても同じようなことが言えると思います。髪の量を減らすために、根元から梳いてチクチクと触りごこちが悪いカットや、風になびいているようで実はバリバリに固…

down to earth

お客様ひとりひとりのライフと身近に接しながら、若いスタッフの感性と共に仕事ができる現場主義の美容というこの仕事は非常に楽しい仕事です。昔はマクロな仕事の仕方に憧れたものですが、やはりモノやコトを生み出していく作り手の魅力や喜びから逃れられ…

your own view

眼差し、視点、視線、いろいろな人がさまざまな方向から美や思想をとらえてゆきます。日常生活のなかでも、視線を変えてみると思いもよらない発見があります。新しい眼差しを求めて今年も努力の日々が続きます。一方、視覚以外の、聴覚、触覚、嗅覚のような…