fringe and parting

舞台で時代劇用に地毛でヘアスタイルをつくる場合、一番問題になるのが、女性の前髪です。前髪は英語でフリンジ(fringe)米語で(bangs)いいますが、歴史は浅く、特に第一次世界大戦後になって初めて、切られた前髪がヘアスタイルの一部となって流行しました。ヘアカットで作られた前髪は和洋問わず、古代エジプトのかつら以降ほとんどみられないものでした。むしろ中世では、前髪などなく、おでこを広くみせるために、生え際を脱色したり、パウダーで隠していた程です。つまり眉のあたりで切りそろえられた前髪はモダンあるいは現代的なヘアスタイルをイメージしてします。最近の女性はおでこを出すのを恥ずかしがり前髪を上げたがらない人も多いようですが、役者さんのイメージや安心感という目的からは致し方ないこともあります。同様に七三の分け目もモダンスタイルの象徴で、古くは分け目無しか、センターパートのスタイルがほとんどでした。ヘアスタイルで時代がわかりますね。