From savage to Modern

larte2007-08-20

今日はヘアカットにおける「つながってる」という意味のコネクションという革新がもたらされたことについてお話します。
50年代後半、骨格に基づいて注意深くカットされたジオメトリックカットによって、ビダル・サスーンはヘア界に革命を起こします。感覚だけによるスタイルでなく、計算されたカット技術ですべてのカットラインをコネクトした、やや大袈裟だけどヘアカットを科学した感じです。野生から近代へと西洋が夢見た科学を美容にもビダル・サスーン氏は持ち込んだのでした、この辺は『ビダルサスーンとバウハウス』あたりから強引に理論化、後付け化されておりますが、ともあれ彼はカットラインをキレイにつなげることによって美しい完璧なシルエットを完成しております。さて、つなげること"CONNECTION"がどれほど画期的なことかというと、繋がりのあるラインによって美しいカーブ、淀みのない美しい髪面、連続的な髪の流れが生まれます。ボコボコに繋がりのない虎刈りを想像してみればわかるかと思います。ここが、感覚的に部分、場当たり的に雰囲気で切るヘアカットの危険なところでしょうか。まぁ、このへんがミニスカート、Aラインといった60年代ポップ期のファッション感覚にマッチしたのかと思われます。しかし、その後、ポスト・モダニズム期には、この「つながってる」っていうことの限界、自ら閉じちゃった世界を拡げなければいけない時代がやってくるのです。つまり「つながってない」ってことです。これまた次回